ジェニパポ 
2019年3月30日日本語  チブサノキ、ジェニパポブラジル語 jenipapo、jenipapeirocaimiteiro、abierioスペイン語 jagua、juito、huito、genipa、totumillo、nane、mayagua、guaricha、maluco、caruto、guayatiIペルー yaguayaguaコロンビア jagoパラグアイ ñandihpáべネズエラ temare英語 genipa、mamoncillo、marmaladeboxオランダ語 taproepa学名 Genipa americana L. アカネ科(Rubiaceae) チブサノキ属(Genipa)中央アメリカー南アメリカに広く分布 ジェニパポはツピー族先住民の名前に由来します。ツピー語で"黒い点々がある"あるいは"こする"の意味だそうです。 ベネズエラ、エクアドル、コロンビア、ブラジルにかけてのアマゾンでは野生が普通に見られますが、熱帯アマゾンの水が氾濫するような川岸の森が元々の生育地だと見られます。生育地の多くは低地で多雨、気温18-30度の所ですが、半年くらいの乾燥には耐えられます。 コロンブスが来た時代には熱帯のメキシコからラテンアメリカ、カリブ海の島々さらにアルゼンチン近くにまで分布していました。ジェニパポが熱帯アメリカに広く分布する理由の一つは体や品物を染めるための染料を採るのに使われたという事によるとされています。先住民により各地に導入されて植えられたというわけです。スペイン語圏に沢山の名前があるのは多くの現地名に由来するためと考えられます。 
乳房の木 木は5-20mの高さになり太さは30-80cmになります。 花は長さ1.5cm位の筒状の蕚を持ち直径4cmくらいで先端が5つに分かれて反り返り気味で、色は白く中央が茶色です。 アマゾンでは5-9月に花が咲き、熟すのは９-4月で、実の熟す時期は12-１月が盛りのようです。果実は成熟するまでに最長1年もかかるので、いつも実は見られます。 画像のインディオのおばさんが道端で売っていたジェニパポは長さも太さも7-８cmで重さは150gくらいでした。別の所で買ったジェニパポも大きさは長さ7-12cm、太さ7cm程度で重さは100-170gでしたが、もっと大きいのも見ました。 果実の先端の尖った所に花のあとが冠状に残っていて乳房を連想させるのが和名の由来です。 少しざらつく外果皮の表面は灰色から茶色で点々あったり縦筋模様を感じます。 
 若い果実の内果皮の厚さは1.5cm位の白いスポンジ状で、中には沢山の種を包んだ軟らかい果肉の固まりが４つ入っています。切るとだんだんと青色になってきます。 KBは味見はしなかったですが、特徴的な香りと酸っぱい風味を持っているそうです。 熟した果実は皺が出来て内果皮は白茶色になり軟らかくなります。果肉は茶色のペースト状になり詰まっています。これは甘い果物の芳香がありましたが、味は甘酸っぱく美味くはなかったです。 
食用果実としては劣る 果実が熟してくると色が緑色がかった灰色に変わてきます。成熟すると褐色になり柔らかくしわしわとなり落ちます。自然環境では熟した果実は小鳥、動物、魚の餌になっていてます。 人が食用とする果実としては低い評価です。 果実は緑色のときにも、熟した果実も食べますが、生で食べるときは甘味を加えて食べるようです。 加工して食用にする場合は砂糖煮にしてマーマレード、ジャムにして食べます。果肉は水で揉みだして、砂糖を加えてジュース飲料やシロップを作り、ワイン、リキュール、酢の製造にも使用されます。 色素が重要 食用にはあまり向かないジェニパポですが、一番の用途は染料です。 未熟な果実の果汁は黄色で、徐々に青くなり、しまいには黒くなります。 コロンブスが来た時代以前から、各地の先住民はジェニパポから作る濃い青と黒の染料を髪や体を染めたり布や容器を着色するために使用していました。 今でもアマゾンの奥地の先住民はこの染料を体に塗ったり入れ墨のために一般的に使用しています。 ジェニパポの染料は西インド諸島から中米、南米では各地で体に塗るために使われています。染料を取る果実ということがジェニパポが中、南米各地に分布している理由の一つとされています。 先住民の伝統薬 染料や果肉は蚊などの昆虫除け、肉食性のキャンディルという魚除けのために体に塗っていました。 体を黒く染めたあと2週間ほどで染料が消えると、肌は白くなり、発疹や肌荒れがなくなりきれいになるそうです。 ジェニパポの各部分は以下のように薬として利用されています。 樹皮は傷薬、抗炎症薬、下痢止め、皮なめし剤。 葉は梅毒の薬。 果実は媚薬、強壮剤、利尿薬、貧血症、胃と肝臓、神経と腸の薬。喘息の薬、咳止めのシロップを作る。 種子は下痢止め、出血止め、嘔吐薬。 根は下剤。 木材 黄白色の材は加工しやすいので、彫り物、機械の製造の際の木型、靴の木型、挽もの、家具、 道具の柄の製造などに使われます。 
ビアグラビアグラ、ビアグラ、ブラジルのビアグラと言って小瓶入り飲み物を売っていました。要所3か所を最少限覆うだけの水着姿のお姉さんはテーブルを砂浜に置いて、黒い飲み物を試飲販売して人を集めていました。 瓶にはjenipapoと書いてあったし、ビアグラは日本で言うバイアグラだと気がついたので一杯飲んでみたところ、少しアルコールの入った甘いジュースでした。 帰るときにもまだ売っていたので、1本買うと言ったら、お姉さんは1本売りはお終いだ、3本入りの箱が1つだけあると言う。しょうがないから10ヘアルで買った。 写真を撮ってから、味わって飲んだところ、いくらか渋味のある甘い果実酒でした。別にバイアグラ効果はなかったです。 ラベルには、最上段にジェニパポのリキュール、大きい字で自家製、小さい字で媚薬とあり、内容はカツアバに甘味としてカシューの蜂蜜、19度のアルコールとあって、成分にはジェニパポ名はなかったし、絵もジェニパポらしくなかった。 カツアバとはグアラニー語で「人に強さを与えるもの」の意味で、ブラジル原産の多数の木の樹皮の煮出し液との説明でした。主に使う木は2種あるが他にもいろいろな木があって特定の木とは言えないとあった。 ジェニパポの効能にも媚薬、強壮剤があるし、黒色の液体だからこれはジェニパポ由来のビアグラと言ってもマー良しとしました。 ジェニパポは食用果樹としてはいまいちですが、自然物や天然物志向の風潮に合わせて、バイアグラ効果はともかく、食品向けの天然色素、天然白髪染めなど化粧品向けにジェニパポを利用しようとする調査研究が行われています。
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