ドリアンの食べかた

　マレーシアのドリアン・シーズンは６ー８月頃と１１ー１月頃であり、４月―５月頃にはタイ産ドリアンが売られています。値段は時期外れや市内の繁華街では高く、田舎では安いです。最盛期のときでKg当たりＲＭ４－５、高いときはＲＭ２０位します。

　鋭い刺の殻を割って果肉を取り出すのは熟練した技術が要求されるので、果肉だけをプラスチックの皿に盛ったものを購入するのも良いが、道ばたの屋台店のお兄さんに割ってもらって、その場で指でつまんで食べるのは手間も省けます。ついでに相客のドリアン談義を聞くのです、れが正当マレーシア式ドリアンの食べ方といえるでしょう。

　たいてい手洗い水が用意してありますが、その前に、食べた後は指を良く舐めてきれいにします。このような屋台には「包吃」（包の中の己は巳を書いてある）という字をかいた看板を出しているところがあります。これは品質保証、味は間違いなし、外れたら取り替えてくれるということだそうです。

種は蒸すか焼くかして熱を加えると食べられます。味のない栗のようでした。ドリアン加工品にはウイロの様なお菓子、乾燥ドリアン、スープもあります。

ドリアンの割り方

ドリアン屋はなたのような大袈裟な包丁でドリアンを割りますが、スイスアーミーの小さいナイフでも割れます。殻を厚く折り重ねた新聞やタオルで押さえ、ドリアンのへそ（尻部の中心）の刺をナイフで削ると５つの区割りの線が見えます。その５カ所の区割り線にそってナイフの刃を入れて、元の方に向けて切り込みを15cmほど入れます。果肉が飛び出さないように気を付けて、ゆっくりと殻をこじあけて下さい。

匂いを送れないのは残念

虎はドリアンを食べるか？

ドリアンが熟す頃になると野生の動物が食べに来るとのことですが、象は落ち葉の上を転がして刺に葉を付けて痛くないようにして、足で踏み潰して割って食べるとか、痛くなくして鼻でまいて口に持ってゆくとか、定かではありません。

小さい動物は刺を齧って穴を開けて食べます。

ある人がクアラルンプールからそう遠くない山に行った時、殻をガバーとこじ開けて、種まできれいに舐めたドリアンの食べ殻を見たそうです。いっしょに行った地元の人の言うにはトラでなければ殻をあのようには開けられない、これはトラだ、トラに違いない、この山にもトラがいるのだと非常に恐れたそうです。ＫＢがタマンネガラに行った時、ガイドのイスマイルさんに聞いたところでは、トラはドリアンを食べる。殻を割って食べ、種をきれいに舐めて殻の近くに残していく。

これに対して、熊（ハニーベア）は殻を割るのは同じだが、種を散らかしているので熊と虎は区別が出来ると教えてくれました。 誰か動物園（ズーネガラ）にドリアンを持っていって試して、レポートして下さい。

「マレーシアでは虎にドリアン、日本では猫にマタタビ」というところでしょうか。

ドリアンの強精成分

殻や種を除いたドリアンの可食部は、果実１個当たり２７％程度です。しかし、果肉のエネルギー含量は多く、栄養価の高い果物です。催淫作用があると信じられています。それはともかく、ドリアンには身体を暖め、心臓をドキドキさせる強精成分が含まれているため、ドリアンとお酒の組み合わせは慎むべしとされています、ビールや炭酸飲料をあわせて飲むと腹が膨れて気持ちが悪くなるともいわれています。ＤＢの経験では、ビール２、３本飲んで、数時間後にドリアンをたらふく食べたことがありますが、何ともなかったそうです。